公務員の給料は安定していると聞くけど、給料は高いのか。それとも低いのか。
こんな疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
上記についての私からの回答は、
「公務員の給料は、安定していて、民間の平均給料より少し高いです。」
みなさんも公務員の給料が安定していると1度は聞いたことがあると思いますが、安定していると言われている根拠が知りたいくないですか?
ということで、公務員の給与の決まり方を解説して、公務員の給料が安定していて民間の平均給料より少し高いという理由を説明していきたいと思います。
結論として、公務員は給与水準が高くて安定しているため、ある程度の安定した収入があれば良いと思っている方にとっては、魅力的な職業と言えると思います。
この記事が、公務員と民間企業のどちらに就職するか迷っている方などの、参考になれば幸いです。
公務員の給与は法律で決まっている
民間企業では、給与の金額について、給与規定などでルールが定められている場合が多いですよね。
公務員の給与は、法律でルールが定められています。
具体的には、国家公務員の給与の金額は、「一般職の職員の給与に関する法律」という法律で決まっています。
※今後は「給与法」と記載します。また、地方公務員の場合は、各自治体の条例で決まっています。
公務員の給与は、国民の税金によって支払われています。
公務員の給与が基準もなく支払われてしまうと、税金が無駄遣いされる恐れもあり、国民は納得しないでしょう。
そこで、あらかじめ給与法で支給金額等を決めることで、税金の無駄遣いも防止しているわけですね。
公務員は給与の交渉ができない
公務員の給与を決めるにあたって、重要なポイントがあります。
それは、公務員は給与の交渉ができないということです。
公務員はその業務の特殊性から、労働基本権が制限されています。
例えば消防の職員がストライキをしてしまうと、火事が起きても消化されないということが起こります。
公務員のストライキが認められてしまうと、国民は安心して生活をすることができませんよね。
そのため、公務員の労働基本権は制限されているのです。
公務員の給与は安いのか
公務員は給与の交渉ができないと言いました。
そう言うと、
「公務員は給料もらいすぎだから、給料を安くしちゃおうぜ!」という声が聞こえてきそうです。
それでは、公務員の給料が安すぎると、どうなるでしょうか?
結論として、誰も公務員になりたがりません。
公務員にだって生活があります。
国民の感情で簡単に給料を下げられてしまうと、誰も公務員にはなりたがらないはずです。
公務員がいなくなると、行政サービスがうまく提供されなくなってしまいます。
民間サービスのみで生活ができれば問題ないのですが、お金がないとサービスを受けられないといった状況になってしまうと、生活に困ってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで、国民と公務員の双方が納得できるよう、きちんとした手順を踏んで、給与法は改正されています。
公務員の給与は民間企業の平均の水準
公務員の給与は、結論から言うと「民間企業の平均の水準」となります。
理由としては、公務員の給与が、民間の平均給与と比較して決定されるからです。
先ほど申し上げたように、公務員は給与の交渉が制限されています。
そのため、不当に給与を低くされる恐れがあり、安心して働けません。
一方、民間企業は給与を交渉して決定しているはずです。
そのため、民間企業の平均給与とすることで、公務員の給与水準を保証しているのです。
また、民間企業の平均で給与が決まるのであれば、税金を無駄遣いされることもないので、国民も納得ですよね。
給与はどうやって決まるのか?流れを解説
公務員の給与は民間企業の給与と比較して決定されると説明してきました。
ここからは、具体的にどのようなステップで公務員の給与が決定されていくのかを解説したいと思います。
公務員の給料は、おおまかに下記の3ステップで決定されます。
※地方公務員の場合は、人事院ではなく人事委員会が勧告を行い、給与法ではなく各自治体の条例を改正します。
人事院が公務員と民間の給与水準を比較して、公務員の給与水準が妥当かどうかを判断します。
給与調査をもとに、公務員の給与水準を見直すよう政府に勧告します。
人事院勧告を給与に反映させるため、給与法を改正します。
人事院が民間の給与を調査して、公務員の給与水準と比較
ここまで述べたように、公務員は給与の交渉が制限されています。
そのため、交渉によって給与が定められている民間企業の給与と比較することで、公務員の給与水準は保証されています。
具体的には、従業員が50人以上の民間企業と、勤務地・役職・年齢・学歴ごとに給与の比較を行っています。
この比較方法をラスパイレス比較といいます。
ラスパイレス比較は、簡単に説明すると、下記の表のように職員の条件にあわせて、民間企業の給与と比較する方法です。
(民間企業)高卒・東京都勤務・30歳・係長 | (公務員)高卒・東京都勤務・30歳・係長 | 差額 | |
給与 | 30万円 | 29万円 | 1万円 |
上記の場合だと、公務員の給与が1万円下回っていますので、公務員の給与を1万円引き上げることになります。
このように、公務員の全職員の給与を、民間企業の給与とラスパイレス比較していき、公務員の給与水準を確認していきます。
政府に対して人事院勧告を行う
公務員と民間企業の比較をした結果、給与水準に差があった場合、公務員の給与水準を民間水準と合わせて変更することになります。
公務員の給与は「給与法」で決まっていますので、公務員の給与を変える場合は、法律の変更が必要となります。
そこで、人事院は政府に対して、給与法を改正するよう勧告します。
参考ですが、令和4年人事院勧告の内容は、ボーナスを0.1ヶ月分引き上げ、若年層の基本給を引き上げでした。
人事院勧告の内容をもとに給与法を改正する
政府は人事院勧告を受けて、人事院勧告の取り扱いを決定し、給与法を改正します。
適用される時期については、月給のベースアップはその年度の4月1日にさかのぼって適用、ボーナスはその年度の冬のボーナスで年額分を調整することが多いです。
まとめ
公務員の給与が安定しているとは、公務員の給与が民間企業の平均給与水準となることから言われているのですね。
また、民間企業の給与水準として比較されるのは、「従業員が50人以上の民間企業」となりますので、小規模の企業も合わせた民間企業全体の給与平均よりも、平均給与水準が高いと言えるでしょう。
参考:民間給与実態統計調査結果
公務員は給与水準が高くて安定しているため、ある程度の安定した収入があれば良いと思っている方にとっては、魅力的な職業と言えそうですね。
公務員になるためには、公務員試験対策が必要なため、民間企業への就職を考えている方もいるかもしれません。
しかし、公務員試験は高学歴でなくても、試験で点数を取ることさえ出来れば合格できます。
私が公務員試験を合格した際に感じた、「公務員試験対策で大切なポイント」についても今後発信していきたいと思いますので、公務員合格を目指して今後も記事を読んでいただければ嬉しいです。